美容医療の世界には「二刀流」は珍しいことではありません。そう、ママであり、ドクターであり、2足のワラジを綺麗に履きこなす、そんなカッコいい生き方、聞いてみました。今回は田村 路子先生に美容でのやりがい、つらさ、お子さまとの関わり…色々と 話しをしてくださいました!
フェミークリニック 田村 路子先生
「美容のやりがいを大きく感じますが、それ以上に子どもたちと時間をそれぞれ設けるようにしているんです! たくさん話すようにしていますね~」
田村先生は、現在フェミークリニック池袋院の院長としてご活躍されていらっしゃいますが、美容に転科され何年くらい経ちますか? 7年になりました!
実際、ご勤務されていかがですか? もうすぐ2年目を迎えますけど…あっという間(笑)
とても働きやすいクリニックだと思いますよ。
美容皮膚科でも、しっかりとした研修があったので良かったです!
北山先生(総院長)も熱心に研修してくださり、わからないことも質問できる環境です。
また、今回のコロナのような時でも無事乗り越えることができたのは、非常勤の先生方のサポートもあって…常勤と非常勤のバランスがいいんでしょうね。
そんなイメージを持っています。
美容に進むきっかけは? 元々、消化器内科か美容か迷っていたんです。
先輩からは「消化器から美容に行けるけど、美容から消化器には戻れないよ」といわれました…
まずは消化器内科に進み、当直したり、救急対応や全身管理などやってきたんですけど、当時は当直が結構多かったです。
結婚するタイミングで、う~ん…それだと継続が難しいかな?と思いはじめ、それだったら…「好きな美容を極めた方がいいかな⁉」「それで満足できるかな⁉」と問い…それで転科を決めたんです!
キャリアのスタートは大手でしたが、実際どうでしたか? ホント、一からの勉強でした。(笑)
美容に関する覚えることが色々多くて大変だったんですけど、上司に丁寧に教えてもらえたんです。
オペ(手順等)や皮膚(構造等)についても…入りやすかったですよ。
今振り返ると、その当時の環境と上司に恵まれたと思います。
「転科」で苦労した点は? 美容は思い通りにいかないですね~(笑)
苦情とまではいかないけど、やり直しの要望もあり…
患者さんと私との美意識が違う、これが理由だと思うんです。
保険(医療)と違って答えがひとつでない…
自分では、その方を上手く、綺麗に施術できても「もっと…」という要望がある。
慣れるまではかなり苦労しましたね~
あとは…例えば、二重の幅が1ミリ違う。ちょっとした食い違い、ミリ単位…
自分の患者さん以外も診るため修正も大変で、他の先生がやったのは、どうやってたんだろう…探求の繰り返しでした。
SNSとの向き合い方は 今院内で「やりたい!」と言い出しは私なんです。
もちろん集客のためですけど、本部に相談したら動いてくれて…
今はクリニックのマネージャーさんと協力してやっています。
私自身、必ずしもSNSは得意ではないですけど…(笑)
改めて、現在の美容医療ではSNSは必須なツールだと感じましたね~
頻度は? 週2日はアップするようにしてます。これがホント大変ですけど(笑)
ストーリーはできるだけあげる。でも、忙しい時、繁忙期は更新ができないんです。
本当は定期的にできた方がいいですけど…
ちなみにネタは? 他の先生のSNSを参考にしていますよ。
仲のいい先生のSNSを常に見るようにしています。
いいものはアレンジするようにしてますね。
田村先生にとって美容とは? 元々、注入が打たれるのが好きで…(笑)
大学からヒアルロン酸やレーザーしたり、お化粧とか…綺麗にするのが好きで、その知識や経験を人に還元できるのは楽しいなあ…と想うようになって。
変わるとは喜ばれるので「変わった!すごくいい~!!」
本当にやっていて楽しい!モノなんです(笑)
印象に残った患者さんは 当時20歳前後の患者さんかな? 親御さんとニキビ治療で来院されたんです。
それが…すごい引きこもりだった男の子が、イソトレチノインとピーリングの治療で劇的にあか抜けて!容姿からしてお洒落になって人がいて…
それは…すごいびっくりしました。(笑)
服装から髪型から、全~部、最初から違う人になって、外にも出るようになって。
ニキビが解消して、本当に良かったなと思います。
今でもニキビが治らなかったら今でも引きこもっているかもしれないですから…
やっていてよかった点は? 患者さんが凄く綺麗になっていく、シミだらけが解消される、私も満足感があります!
治療は続けてほしいけど、(治療から)卒業も嬉しいですよね!
シミのコース、ニキビのコースが全部終わって、すごく本人が満足して綺麗になったとき
やっぱり嬉しいな~と思います。
信頼してくれれば、また帰ってくる。
ちょっとニキビ、シミができて…そんな相談でも嬉しい!(笑)
また先生に是非やってほしいと言われると嬉しい!(笑)
指名も嬉しい、やりがいがありますよね!
本当に楽しそうですね! はい! (笑)
これからの目標はありますか? 注入、糸、もう少しレーザー系を極めたいです。
注入が好きなので、注入のスペシャリストになりたい!と思っています。
レーザーの機械が増えているので知識が追いついていかない…
どんどん新しいものが増えている。それを埋めていきたいですね~
大切にしている言葉は? 「たとえ明日、世界が滅びても僕はリンゴの木を植える!」
常に明日をみて、前を向いていきたいな!という
いつもその言葉があって…
諦めそうなときも、明日への一歩を目指して頑張っていく!
その言葉が好きで…マルティン・ルターの言葉です…
お子様とのかかわりで工夫していることは? 子どもと居る時間が減りますね。でも仕事をやりたい自分もいて…
仕事と家族と時間とのバランス…みなさんもそうだと思いますけど…難しい
帰ったら子どもたちが寝てる・・・
寂しがっているだろうな… いろんな想いがあります。
子どもたちには「ウチは家族がチームだからね!」ひとりひとりの協力がないとパパもママも生活が成り立たないよ!」と。
そのためのチームだから、ひとりひとりがそれに向かって協力しなければならない。
保育園に毎日楽しく通うことができるように、親としてサポートすることもチームの役割だよ!私たちは大きなサッカーチームなんだよ!
みんなで協力しないと今の生活が頑張れないから頑張ろうね!と
6歳と3歳なんですけど、上(の子)は理解している 「うん!わかった!」って。
コミュニケーションは大切ですね! 0歳から保育園に入れてどうなんだろう?
そう思って、同じような方に聞いてみると、兄弟がたくさん増えた感じがしたと。
今でも大事な友達として付き合っています。地元ならではですね。
その一言で励まされた感じがしました。
子どもとの時間を大切にして、仕事一辺倒でないようにしています。
それは長男と私の時間、次男と私の時間をそれぞれ設けるようにしているんです。
なので、たくさん話すようにしていますね~
この頃ハマっているものはありますか? 料理教室に通ってます 保育園のママ友 個人レッスンで!
やると楽しいですね~!
転科を考えている先生方へのメッセージをお願いします! どのくらい仕事の割合を置けるか?
ある程度時間を美容に費やさないと、例えば週2日程度では美容を習得できないと思うんですね。
少なくとも週4日?…できたら週5日…くらいは美容に浸かって、ある程度できるようになるまでは。美容はかじってるくらいでは…ちょっとできない分野かな~?と思っています。
結構、美容は奥が深いから。
7年やってもまだまだ足りない感じなんですよ。
軽い気持ちだと、なかなか付いていくのが厳しいと思いますよ。
美容に染まるつもりで、ぜひトライしてほしいな!と思いますし応援したいと思います。
なるほど。 華やかな世界ですけど、大変な面もありますね⁉
美容のドクターは犠牲にしているものが多いんですよ(泣)
時間も遅いし、土日は出ているし、休日も一番患者さんが来るから出るし…
そういうところを犠牲にして、さらに勉強している先生ばかりだから。
で、自分も綺麗にしていなければいけない努力もあるし。
本当、大変な世界だと感じますね。
美容のドクターはすごく努力されているのもたくさん見ているし…
新しいモノに対してはどのように対応されていますか? 速いサイクルで、もう…付いていくのも大変です。(笑)
化粧品、レーザーとか…
それはSNSを見たり、メーカーなどのHPから資料を取り寄せたり、付いていかないと置き去りにされちゃちゃう気がします。
出産後に一年休みたいな…と想った時があったんですけど、その間に遅れちゃうな…と感じて復帰を早めたりしました(笑)
それよりも、ブランクがあると、手が注入の際、動かなったり、感覚が鈍るのも嫌だし…
現場にちょっとでも居ないと… それが対応策?ですかね~
また、学会も入るようにしました。出ないと置き去り…(笑)
学会は複数に加入していますが、美容外科の学会にも入り直す予定です。
皮膚科分野も多くなっているし、入って勉強しないと。
女性の活躍も増えていますし、多くなりましたよね。
また、SNSを通じて声を掛けて頂く機会もあって、和が拡がりました。
美容ドクターとして心掛けていることはありますか? クリニックでの振る舞いですかね~
一度、クリニックの意向に染まることも大切です。
クリニックで信頼を得ることが必要で、時給が上がる、融通、提案に対する回答がある。
したいことは押し通す、したくないことは避ける…それはいけませんよね。
あと、美容には半年とか1年以内で辞めてしまうドクターもいます。1年で辞めてしまうとキャリアが積めないし、どこに行っても信頼されない。
ひとつのところに3年はいないと…と思います。
半年、1年で辞めると、うちでもそうなのかな?と思われてしまう。
やはり、まだ書面で判断されますから。
昔、面接に行った時にマスクを外してお肌を見せてください、って言われました。
肌がきれいでないと美容は難しいですよね!
人様に「美」を提供すると同時に、自分を演出する能力が求められますね!
ありがとうございました。
インタビュー収録日:2022年9月29日(木)
取材協力:フェミークリニック
編集後記
田村先生が美容に転科した7年前は、女性ドクターの割合も今よりも低かったと記憶しています。その当時は、ママさんドクターのロールモデルも多くはない時代だと思いますが、今こうして振り返って当時の苦労話も笑って語ってくれました。優しさと厳しさは経験から裏打ちされるもので、尊いものだと感じました。
プロフィール
フェミークリニック 田村 路子先生
臨床研修終了後、消化器内科を経て美容に転科を図る。大手美容クリニックでの勤務を行い、後にニキビ治療にも携わるのち、フェミークリニックに入職。
現在は池袋院院長として診療、SNSを精力的にこなす日々を過ごす反面2児の母親としても、子どもとの関わりをなによりも大切にしている。
https://www.instagram.com/dr.michiko_ikebukurofemmy/
Instagram ID:dr.michiko_ikebukurofemmy