Column

金の鉱脈と地下水脈

医療脱毛の市場が拡大しています。
美容医療の市場規模は約4,000億円と言われ、2011年が約2,600億円からすると150%の伸長率を示しています。美容外科の割合が減る中、新興脱毛クリニックの台頭や脱毛人口の増加が大きな要因であると考えられます。
脱毛も、従来の女性から男性市場を造り、更にスポーツ脱毛、介護脱毛、親子脱毛と用途が様々で実に興味深いです。スポーツと介護、関わる人口が多いゆえ金の鉱脈になりそうです。

また、エステから医療に流入・転換することも増えており、様々な業種からの参入も大きな特徴といえます。
脱毛のチェーンクリニックの多くは2010年以降開設し、10年ほどで全国20院など急成長を遂げていますが、そこには経営のスピードや資金力も影響していると考えられます。
勢いを感じるのは、そのような背景が見えるからだと思っています。
企業による経営色が濃く、今後DXなど推進する力がありそうです。
ここが美容皮膚科、美容外科と大きな違いかと感じています。
「院」ではなく「店舗」という感覚なのでしょうか。

ところが、先日ネットの記事を見て驚いたことがありました。
時代の先端を行く雑誌「VOGUE」。
記事によると、欧米のミレニアル世代の3割は腋毛を残しているそうで、100年前には剃毛イコール美という概念だったようですが、今やナチュラルビューティーの時代、LGBTQの考えに沿い、また男女平等の意識もあるようです。

3割という数字が多いか少ないか…自分は3割も!という感想です。
脱毛(ワキ)は拡がっているのは確かですが、ナチュラルに…という考え方もあるのも確かです。これも多様化のひとつなのでしょうか。

世界規模で脱毛の市場は拡大するレポートが発表され、日本でも世界トップクラスの脱毛市場を誇っているようです。
一方で、脱毛をしない考えも地下水脈のようにあるのも事実。
日本にこの流れが定着するかは不透明ながらも、やがてこの「3割」にサービスを提供する欧米発のビジネスが起きるかもしれませんね。