Career 4 Beautiesキャリアドクターとの対談2022年10月26日UP

ママさん美容ドクターとして北陸を中心に活躍している新田 有加里先生。
最近では、拠点の金沢から富山にまで活躍の場を拡げています。
今や福井からも患者さんもお見えになりファンが増える中、
仕事とプライベートを大切にしている考えやメソッドを聞いてみました。

新田 有加里先生

新田 有加里先生

「美容の道を進んで良かったな~! 本当にそう思います。それしかないですっ!」

今、新田先生は金沢市のクリニックにご勤務されていますが、最近は富山県にも行かれていらっしゃいますね。どのような勤務形態ですか?
今は個人クリニックに常勤で週5日なんですけど、金沢院は週4日、富山院は週1日という形です。 富山までは高速を使って40分くらいです。電車よりは効率が良くて。
以前大手美容クリニックに勤務していたころは、月に数回新潟まで日帰り出張(片道4時間。)に行っていたことを考えると、通勤、勤務日など働きやすい環境になったと思っています。

金沢と富山…それぞれの患者さんの特徴はありますか? すこし患者さんの層に違いがあるかもしれません。金沢の患者さんは、美容慣れしている方が富山よりは多いです。いままでは東京に行っていたけど、金沢でも希望の施術がうけられるようになったから、今回金沢で受けてみようかな?という方もいます。安いから来たとか、友達が行ってるから来たとか…様々です。 富山は、美容はじめての人が比較的多いかもしれません。

金沢は人気があるエリアですが、クリニックも増えていますか? とても増えています。大手クリニックもどんどん開院しています。
金沢だけではなく富山にも開院すると聞きました。これからますます美容クリニックは増えてくると思います。
ほかのクリニックのドクターは気になりますので、SNSをフォローしていたらいつの間にか仲良くなったり。一緒に食事に行って、手術のことなど気軽に話が出来るようになる方もいます。
個人クリニックに転職してからは、情報交換が出来る相手が減ってしまうので、インスタなどで、ほかの先生方とつながりを保つようにしています。

メインの施術は? 肌治療全般と外科系では、婦人科形成と二重術がメインです。
特に、婦人科形成は、同じ女性のお悩みに共感できるので、好きな手術です。どんな手術でもお肌の相談でも、患者様といっしょにその悩みを解消できるとすごくやりがいを感じます。

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院長というお立場ですが プライベートの時間はできるだけ仕事したくないんですけど…(笑) 
診療で忙しい時はSNSは夜でもします。
夜はインスタのダイレクトメッセージを送ってくれた患者さんの質問に答えたり、またクリニックに術後の経過が不安で問い合わせをしてくる方の返信をしたり。院を管理する立場ですので、自分の以外の患者さんの経過観察など、管理も対応もします。
大手ではここまではしなくてよかったですが、必要な仕事ですので、あまり苦には思いません。

印象に残った患者さんは? モニター様にはアンケートを貰っているんですけど、アンケートにはその方の「想い」が書いてあることが多いです。
二重術をした20代前半の女の子なんですけど、ずっとアイプチして生活をしていたそうです。
その子は、アイプチが取れないかといつも心配して、例えば5分に1回鏡を見てしまう…そんな生活していたんですね。
そのため、いつも鏡を見ていたら、友達からナルシストといわれ、彼氏からは「自分好きすぎやろ~!」とからかわれたり。
自分自身は心配で心配で仕方なかった。 旅行にもプールにも行けない、とずっと悩んでいて、勇気を出して埋没法を受けました。
今までの悩みから解放され、本来の自分になれました。本当にありがとうございました!と。
その言葉を聞いて本当に苦労していたんだな…と。と同時に喜んでもらえて嬉しかったです。また、その後も今の勤務先にも来てくれたんです。
その子から「覚えてますか?」と聞かれ「もちろん、覚えてますよ!」
そんなご縁もあり、今は美肌治療に通ってもらってます。

やりがいに繋がりますね! はい、患者様の喜びはやりがいに直結します! 
患者様が嬉しかったことは私も一番うれしいですし、この仕事をやっていてよかったと心から思えます。
また、やりがいの瞬間は、インスタにメッセージを貰う時などでも感じます。
患者様の紹介で来院してくれるかたも多いので、それもうれしいですね。

天職ですね? はい、美容の道を進んで良かったな~!
本当にそう思います。それしかないですっ!

半面、苦労した部分は? 仕事は技術。
新しい手術の習得に大変さはありますが、むしろ楽しいと感じています。
つらいと思うことはないです!

大事にしている言葉はありますか? 頑張り過ぎない!…です!
マジメなタイプなので(笑)
プライベートも大切、仕事も大切ですが、常にどちらも100点は難しいです。
自分に出来ることをひとつずつ行い、楽しむことを大切にしています。

カッコいいですね!まさに二刀流⁉ はい!(笑)

頑張り過ぎない⁉ とてもオリジナリティーがありますね! はい!そうなんです。
プライベート、子育て、仕事、すべてがんばりすぎるとシンドイんです…(笑)
つぶれてしまわないように、ほどほどで歩き続けるようにしています。
自分も完璧でもないので、人にも完璧を求めすぎない。
それがちょうどいい感じかな~?と

SNSとはどう向き合っていますか? 得意な方ではないですけど…
貴重な患者さんとのツールです。直接やりとりができますし、自分をアピールしたり、信頼関係を築けるひとつの大切な場です。
インスタグラムとTiktokと代表的なSNSがありますが、これからはTiktokの流れかな~と思ってます。
今までは画像が主流でしたが、インスタグラムでもリール機能が出てきて、今は動画が主流になっています。
音楽なども合わせて、美容クリニックは緊張してくるところではなく、楽しそうなところ、夢のかなうところ、と敷居を下げることも必要ですね。

患者層の若さも要因でしょうか? 一理あるかと思います。Tiktokは拡散が速いし広い。
恐らく集客、認知度ではTiktokが強くなると思います。
よくドクターが踊っているシーンなどもありますけど、わたしはやっぱり症例のほうが集客につながるのかな?とも思ってます。
今は、SNSを分析しながらやってますけど、ツールがどんどん変わるので付いていかないと…必死です!(笑)

やはりSNSは必需アイテムですね? はい。基本、必須ですね。
ただ症例を見せるだけでなく、綺麗さ、ドクターやクリニックの雰囲気とか…
また患者さんの目が肥えてきることを感じます。ひとつのポイントだけでは選ばなくなっていると思います。
例えば、人柄、症例の綺麗さ、優しさとか色々な視点で比べてくる…
SNSは必須だけに、いろんな要素で比較されます。

転科する際、保険医療での経験は? 不要かな~と思います。
専門医とか、卒後何年…臨床キャリアも大事ですけど…
時として、その微妙なプライドで伸びないこともあると感じています。
美容に転科したらそこから一年目!と初心に戻る必要があると思います。
逆に言うと、研修医からそのまま美容に進んだ先生のほうが、SNSを頑張ったり、自分自身のブランディングに全力で取り込んでいる印象ですね。そのような人のほうが集客ができる、症例が増える、技術が上がる、とプラスのサイクルになり、どんどん育っていっている気がします。

地方院での勤務は力が付く!本当ですか? 成長する…というより症例数が回ってきやすいので絶対、地方院が良いと思います。
大きい本院とかですと同期も多いし先輩も多いので症例の取り合いになります。
地方院だと院長と自分だけとかもあるので、チャンスは多いかなと。
院長で予約が取れないと、自分に回ってくることが多いので、1年目は地方がおすすめです。

先生にとって美容医療とは? 最善の選択でした。他の科目は考えられないですね~
患者様の喜びに直接触れることのできるやりがいあふれる仕事です。
一生やっていきたいです!

これからの美容はどう変わると思いますか? 供給も増えている分、需要も増えていると思います。
これから美容皮膚科を受診する人も、もっと増えてくると思う。
勝手な想像ですけど、価格は下がってくるかな?
それと、どんどん変わってくると思う。施術内容であったり、SNSであったり、患者さんの志向であったり…
同じやり方がいつまでも通用しなくなってきている。そんな感じを受けますね。

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ママさんドクターのロールモデルとしてメッセージを! 美容に転科をして3年目になりますけど、「美容ドクター」は脱毛から美容外科まで幅が広いですよね。
私は、手を動かすのが好きだし美容外科メインですが、できる技術が多いほど収入にも繋がる。
「ここまでは習得したい!」という目標があるうちは、できるだけ頑張って勤務した方が後々有利になると思います。1、2年はフルタイムで頑張っていたら、もし転職する際も、候補は見つかりやすいし、収入も全然変わると思います。
家庭と仕事の両立は難しく感じるかもしれませんが、自分で乗り越えることが大切だと思います。やってみると意外と簡単に乗り越えられるかもしれません。
この道に進むと決めた後は、そこまで悩む必要はなかったな…と。
自分で一歩を乗り越える気持ちが大切かな?
始めないと始まらない!…そう思います。

ありがとうございました。

インタビュー収録日:2022年9月27日(火)

編集後記

ママさんドクターの活躍の場は、美容医療の世界でもなかなか広がっていない現状もあります。転科当初は求人に合わせることが求められますが、経験やスキルを積むことで求人がドクターに合わせてくることがあります。そのスタイルを実現しているのが新田先生です。転科当初は大変な時期もあったことと思いますが、壁を乗り越える力を言葉の端々に感じ取ることができました。

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プロフィール

新田 有加里 先生

臨床研修修了後、美容医療に転科を果たす。大手美容クリニックの地方院に勤務し、研鑽に努める。その後、転職を果たし北陸エリアを中心に活躍の基盤を深めていく。ママさんでありドクターであり、プライベートと仕事の両立に勤しんでいる。

https://www.instagram.com/eskin_nitta